簡単なケアは外側から
機械式時計の表面には、文字盤を様々なダメージから守るための透明な風防があります。多くはガラス素材が使用されていますが、その風防に何らかの異常があると、文字盤が見えづらくなってしまいます。そんな時はメンテナンスを行うと良いでしょう。専門家でない人が行う風防のメンテナンスは、風防の外側からの作業が基本となります。取り外すのは内部が晒されることになるため、望ましくありません。風防がしっかり機能していれば、内側に異常が発生することは少なく、表面の汚れを拭う程度で済みます。その際には内部構造の錆びを誘発させないように、乾拭きすることが大切です。また非常に小さな傷程度であれば、研磨剤を使用して目立たなくするという方法もあります。
専門家に依頼した方が良い場合も
風防は機械式時計の見た目に直結し、研磨剤で消せないほど大きな傷だと悪目立ちしてしまいます。また文字盤だけでなく内部構造を保護する役割も担っているため、もし内側に達するほどの傷ができていれば、そこから水分が入り込んで部品の錆に繋がるかもしれません。したがって傷が大きい場合は、風防そのものを交換した方が良いです。交換は代わりの風防を用意すると共に、安定した技術力が必要なので、専門家に任せることになります。また水滴が風防の表側ではなく裏に付着している状態だと、内部に水分が充満している恐れがあります。そんな時は分解した上で、風防以外の水分も取り除かなければならないので、交換と同じように専門家に依頼しましょう。